カリソメだけど愛してほしい

徒然なる日々をつらつらと綴っています。

双龍

https://youtu.be/kx8lzDC3iJs?si=fN6F67eOQVVmqbcp

椎名林檎『17』

↑詩羽ちゃんcover

 

大雨、雷、新幹線の窓の外、見える景色は 濁流を逃れようと天へ舞い昇る二匹の黒く野太い龍だった。工場地帯の太い鉄パイプに その巨体を巻き付かせ もう崩されてしまった橋の下 うねる濁流から身を反らせた。その景色しか覚えていない。現実とはかけ離れた光景でありながら 不思議と疑問や恐れはなく むしろ沸々と湧き上がる希望に胸躍らせた感覚のみを覚えている。

夢占いでは 龍の夢を見ることは 吉兆とされている。ただし その夢を見たことは他言無用。らしい。起きてすぐ 他言した。おわた。でも 夢を見たという事実に変わりは無いのだから 何故そんな細かいことを いちいち気にしなくてはならないのか?別に 誰に言おうが私の自由だろうが。という気持ち。知恵袋で「龍の夢は吉兆ですよ。でも その夢を見たことは誰にも言ってはいけませんでした〜!滅多にない吉兆をみすみす逃すなんて!あんたバカァ?!」とアスカばりの豪速球で 質問者を殺しにかかる回答者が居て 吐き気がした。みんな他人の不幸は 蜜の味って思ってるんだね。私は今まで 色んなことをみすみす逃してきてるから その全てを馬鹿にされ 否定された気持ちになって くよくよ泣きそうになった。知恵袋とは関係ないけど 結局 綺麗事宣うやつも 他人の不幸が好きだし 哲学を語るやつも 富と名声に心奪われてばかりだしと思って 溜め息が止まらなかった。真にフラットな気持ちで生きている人間なんて 自分も含め この世には存在しない。生きていくことは 必要のない偏見やしがらみに 塗れていくこと。学生のときは あんなに楽しかった人との食事も 久々に会ったら なんか違うことってあるよね。変わりたくないと思っても 自分が刻々と変化しているという実感は 拭い切ることができない。自分自身が 変わっていることに気づかずに その人生によって 固く蓄積された己のステレオタイプを押し付けてくる人間ほど厄介なものはない。変化を受け入れろ。そして 人に期待するな。私は変わる。お前も変わっている。その中で お互いが妥協すること。赦すこと。これが人と関わるということ。